ある事件の被疑者が逮捕された場合には、原則として、48時間以内に、
当該事件の一件書類と被疑者の身体が共に検察庁に送られることになります。
事件が検察庁に送られることを、実務的には、「検察庁送致」と言います。
検察庁送致の際に、被疑者は、収容先の警察署から、検察庁に移動させられます。
その際の移動を、「押送」といい、特に、警察署から出発する押送を「順送」と言います。
検察庁に到着した被疑者は、弁解録取の手続(簡単に言うと、初回の検察官の取調べ)
を受けることになります。
弁解録取が終わったら、収容先の警察署に戻るために再度、押送されることになります。
警察署に戻る押送を、特に、「逆送」と言います(ここでの「逆送」は、警察署の留置部門などで使う実務用語であり、法律用語である「逆送」とは異なります。)。
「新件(しんけん)」とは、上で説明した
順送→弁解録取→逆送(警察署到着)
までの一連の流れのことを言います。
特に、被疑者の移動の流れに力点を置いた留置関連の実務用語なので、
被疑者が在宅の事件では使われません。
用例1
弁護人
〇〇さん、明日、日中、在監ですか。
留置担当
〇〇は、明日、新件なので、夕方まで不在です。
用例2
逮捕直後の
被疑者
先生、次、いつ会えますか。
弁護人
新件の日、聞いていますか。
逮捕直後の
被疑者
新件、明後日、立川です。
弁護人
では、明後日、地検に接見に行きますね。